職場での場面緘黙症の心理と対処法【大人の当事者が語るよ】
こんにちは。しゅんです。
私は、場面緘黙症ももっています。
場面緘黙症とは、特定の場面で全く発言ができなくなってしまう病気のことです。
私は職場で、ある状況下に置かれると、例外なく発言ができなくなってしまいます。
しかし、何も考えていない、ボーとしていると、誤解されやすいのですが、内面世界は深いです。
今回は場面緘黙症の当事者の心理と、私が実践している対処法について紹介していきます。
もくじ
場面緘黙症が生じる特定の状況とは?
場面緘黙症が生じるのは、私の場合、会議のときです。
といっても、会議の時ならいつでも生じるわけではありません。
ある条件を満たす会議の時に話せなくなります。
話せなくなる会議の特定の条件とは?
私の場合ですが、
- 3人以上で話す。
- 関係が対等である。
- 既存の議題ではなく、新しくアイディアを出すような会議である。
- 準備期間がない。
- 時間制限がある。
といった条件を満たす会議では、話せなくなってしまいます。
おそらく、あなたも共通する部分があるに違いありません。
- 3人以上で話す。
2人で1対1で話すことはそれほど苦ではありません。
しかし、3人以上になると、これが魔法がかかったように話せなくなります。
- 関係が対等である。
同僚など、関係が対等なメンバーで行う会議のときに発言しにくくなります。
関係が対等だと、誰が主導権をとるかはっきりしていないので、何を軸にして話をしていけばよいか分からなくなるのですね。
あと、他のメンバー同士で元々仲の良い方がいたりすると、気後れしてしまい発言ができなくなってしまいます。
主導権はほかの人に取ってもらうのが楽です。
しかし、あくまで私の場合ですが、プライドも高く主導権を握りたいという気持ちもあったりして、自分が主導権を取れなかったらそれはそれで、がっかりするという面倒くさい心理もあります(笑)。
ですので、上司やある程度年の離れた先輩など立場が上の人との話し合いであれば、主導権は基本的にその方にあるので、自分はそれに乗っかって発言すればよいので、同僚よりも発言はしやすいですね。
- 既存の議題ではなく、新しくアイディアを出すような会議である。
- 準備期間がない。
- 時間制限がある。
既存の議題ではなく、新しいアイディアを出すような会議で、かつ準備する時間を与えられず、しかも答えを出すのに時間制限があるという場合です。
これは一人でやるのも大変なのに、複数人で行い自分の意見もどこかで入れていこうとなると、私には精神的にすごく苦痛です。
そして上で挙げた5つの条件をすべて満たす、私にとって最悪のものがあります。
それが、グループワークです。
入社試験の集団討論や、新入社員研修のグループワークは私にとって、精神が疲れて自己評価も下がるだけのものでした。
いまでも、自分の担当プロジェクトの会議よりも研修のグループワークのほうが苦手です。
緘黙の心理状態をさらに深堀り
先の5つの条件がそろった時に、具体的にどのようなメカニズムで発言できなくなるのか、その心理を深堀りしてみます。
グループワークが始まる。
最初はみんなすぐに口を開かない。
誰かが、意見を言い始める。
よし、他の人が主導権にぎってくれたぞと安心する。
それを皮切りに、他のみんなも意見をちらほら言い始める。
自分だけまだ口を開いておらず、何か言わなくてはと意見を考え始める。
今までの流れを壊さない程度に、かつ既に出たものよりも良い意見を言わなくてはと焦る。
今までのみんなの意見を振り返る。
正直、ちょっと違うなと思う意見もあるが、無理やり理由をつけて理解する。
そして、ようやく自分なりの意見らしきものが浮かぶ。
しかし、周りを見ると、話は次に進んでいるようだ。
今浮かんだ意見を言うのはもうタイミングが遅いみたいだ。
しかも、いつの間にか、雑談も交えたりしてみんな仲良くなっている。
そして、あわてて笑顔を作る。
今の話題についていって、また自分の意見らしいものをつくる。
勇気を出して、いざ意見を言おうとする。
しかし、口を開きかけたその時、他の人が冗談をいった。
うはははとみんな笑っている。
また、タイミングを逃す。
この流れで、急に真面目に意見を言うのもどうかと思い始める。
そこで意見を見送る。
また話が進むが、何がポイントなのか分からなくなってきて混乱してくる。
そんなときに、ある人がしゅんさんはどう思いますか、と振ってくれる。
焦って錯乱状態になる。
半分やけくそになり、さっき聞いた単語を取り入れたでたらめのようなことを言う。
しかも、声も小さいし、もごもごした口調で言ってしまう。
「え?」と訊き返されて、さらに焦る。
もう一度大きな声で言う。
「でも、それはさっき○○っていう話になりましたよ」と言われてしまう。
どうやらさっき結論らしきものが出た話題だったらしい。
なんか変な奴だと思われた気がして、逃げ出したくなる。
という流れです。
ポイントを挙げると
- 良い意見を言わないといけないと思っている。
- タイミングにこだわる。
- 流れに沿った発言をしないといけないと思っている。
といったことが分かりますね。
知らず知らずのうちに自分に高いハードルを課しているようです。
場面緘黙症の対処法
では、場面緘黙症には、どのように対処したら良いでしょうか。
まず初めに言っておきますが、場面緘黙症は体のけがとは違って、完治するという概念はないです。
以前の自分よりも発言ができるようになるために、ちょっとしたテクニックを身に着けたり、マインドを変えることが対処法になります。
他人の意見を元に自分の意見を言う
発言できなくなる人は、自分から何か新しい意見を出さなければ、と思っているようです。
しかし、他人の意見を元にすれば、自分の意見も言えるようになると思います。
「今の意見は、こういった意味ですか?」
「そうですね。今の話をうかがっていて、○○というのがポイントそうだと思えてきました」
という風にです。
論理性にこだわりすぎない
話し合いについていくことは大事ですが、必ずしも論理性にこだわりすぎる必要はありません。
意見を言って笑っていても、内心「具体的に目的にどう結びつくのかな?」「どうしてそれが解決策になるのかな?」と感じる場面もあるでしょう。
私の経験から言うと、そこで立ち止まって生真面目に悩んでも、話に置いていかれるだけでほとんど価値はありません。
なぜなら、他の人もそこまで深く考えて意見を言っているわけではないからです。
人の意見に引っかかりを感じたからといって、そこでぐるぐると悩むのはやめることをお勧めします!
私は、「いい意味で、テンポよく聞き流していく」ということを意識するようにしています。
そうなったのならそれでいこうと考える
みんなで話し合いをしていると、論理がちょっとおかしな方向に行くこともあるでしょう。
そんなとき私はプライドが高いので、いままで意見を出してこなかったくせに、結論に関してちょっと違うなと思ったら、内心首をかしげてしまうことがあります(笑)。自分ならもっと良い結論にできたのに、と。
しかし、入社試験の集団討論や、社員研修のグループワークなどは、結論の質ではなく、過程について評価されます。
何か正解を探すというよりも、テンポよく話を進めていき、自分も人並みに参加していたという証を残してくるということが大事です。
ですので、これでいこうとなったのなら、それでいこうと自分も思い、それを文字通り受け入れることが大事です。
言い換えると、自分の意見やこだわりはテンポよく捨てていくということです。
所詮は一回きりのゲームのようなものです。
そう考えると、逆に話し合いにもついていけて、全体を俯瞰してみられるので、自分に意見を求められたときに、少なくとも頓珍漢なことを言ってしまうことはなくなるでしょう。
発言しないことにもメリットはある
そもそも発言しなくてはならないのでしょうか?
もちろん点数が付くような討論であれば、発言したほうが良いでしょう。
しかし、日々の仕事の会議では発言しないことにもメリットはあります。
例えば、あなたが発言しないことで、代わりに他の人が発言できたというメリットがあります。
また、余計な話題や気づきが出ず、会議が時間通りに終わったというメリットもあります。
「余計な気づき」とは、「あの書類にこういった誤字脱字があるかもしれない。よし、全部の書類をチェックしよう」といったようなことです。優先順位が低いことでも会議で出てしまうと、やらなければならないことになってしまいます(笑)。
また、発言をしたけれど、ずれたことをいってしまうこともあるでしょう。
しかし、実はそれで他の人も自由に発言しやすくなるといったメリットがあるのです。
ちなみに、こういった考え方はNLPのリフレーミングを身に着ければ簡単にできるようになります。
まとめ
いかがでしたか。
場面緘黙が生じる条件は人それぞれだと思います。
まずは、心理面について分析してみましょう。
自分が話せなくなる心理的なポイントが見えてくるはずです。
それは、こだわりだったり、難しく考えすぎているということかもしれません。
そしたら、この記事で紹介したようなテクニックやマインドを活用してみてください。
でも、模範解答的なことを言われても、すぐに変われないよと思われるでしょう。
私もそうです。実際のところは、紹介した対処法を常に実践できているわけではありません。
しかし、それならそれで構わないと思います。
日々の業務で不都合が生じていないのであれば、何ら問題はないと考えています。
たまに、集団討論でしゃべれないやつは、職場でも話せないぞ!みたいなことをいう方が非常に多いのですが、そんなことはありません。
なぜなら、実際に担当プロジェクトの会議のように準備もできて、自分も理解している話し合いでは、私も意見を言えるからです。
あなたが、おおむね自信をもって社会生活を過ごせているかどうか。そこがポイントですね。
それでは、今日も最後まで読んでいただきありがとうございました^^